映画のこととか趣味の話 KOJIFBLOG

成龍(ジャッキー・チェン)/新日本プロレス/キン肉マンなど趣味の話をします。

酔拳の基本的な話/笑拳の基本的な話

酔拳の基本的な話

町で悪さばかりするボンクラ息子が、酔拳の達人爺さん(アル中w)に預けられ、厳しい修行をして(虐待されてw?)強くなる。ダメ息子が酒飲みになる話なので、最近のジャッキーは、この内容に否定的。だが、ジャッキー作品の中では、No.1かNo.2の人気作品(プロジェクトAと双璧)。日本では「トラック野郎・熱風5000キロ」と併映上映され、1979年の邦画配給収入6位だったらしい。日本では、日本独自の主題歌「拳法混乱(カンフージョン) 唄:四人囃子」が使われ、それも人気が高い(最近はカラオケにもある)。ジャッキーにとって、日本初登場の作品で、ここから人気に火が付き、80年代前半まで過去作含め拳シリーズが続々と公開される。

 

◆笑拳の基本的な話

ジャッキーの初監督作と言われているが、実際は、エリック・ツァン(大福星のチビ)との共同監督か、エリックが助監督をしていたらしい。ジャッキーもレンタル移籍の前2作「蛇拳」「酔拳」でスターになり、ロー・ウェイプロに凱旋したが、ジャッキーもマネージャーのウィリー・チェンと個人プロを作り、ロー・ウェイと揉めてた頃。おそらく、そんな中、ある程度、当時のジャッキーがしたいことを実現できた作品だと思う。
日本公開版では、ほぼ本編と関係ない、モンキーパンチのアニメOPが存在する。
用心棒のシーンなどは無駄に長いが、拳モノ卒業前夜なので、その質は非常に高く、そして楽しい。修行シーンも、蛇拳酔拳よりもパワーアップしている。

 

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拳シリーズ制作順と日本公開

■1976年制作
少林寺木人拳(1976年制作、1976年香港公開)
成龍拳(1976~1977年制作、1977年香港公開)
■1977年制作
・蛇鶴八拳(1977年制作、1978年香港公開)
・飛龍神拳(1977年制作、1978年香港公開)
・天中拳(1977~1978年制作、1980年香港公開?)
蛇拳(1977~1978年制作、1978年香港公開)
■1978年制作
・拳精(1978年制作、1978年香港公開)
酔拳(1978年制作、1978年香港公開)
・龍拳(1978年制作、1979年香港公開)
・醒拳※一部(1978年制作、1983年香港公開?)
・笑拳(1978年制作、1979年香港公開)

初期ジャッキー作品(拳シリーズと言われるあたり)を公開順ではなく、制作順で並べた。
...とは言いつつ、「天中拳」は撮影が中断したり再開したり、「拳精」と「龍拳」と「酔拳」の撮影が微妙に同時進行だったり、調べてみると諸々あるらしい。並びは、大まかな目安と考えてほしい(情報は、wiki より KungFuTube を信用しています)。
これを見ても、無名の陳元龍から成龍に改名した「少林寺木人拳」から「笑拳(1979年の香港興行成績2位、1位007)」までの約3年間は、ジャッキーにとって非常に濃いい時期と言える(実際は、80年代後半の『奇跡(ミラクル)』まで、アクションの質は進化し続けていると思う)。
また、香港映画界の動きとして、1975年ごろに香港では「Mr.BOO!」が興行成績の上位に食い込み、ブルース・リーのシリアスカンフー映画の時代からコメディ映画の時代に移り変わっている。少し話が脱線すると、1982年には「悪漢探偵」がその年の香港の興行成績No.1になり、コメディ要素のある現代アクション映画が主流になっていく。
制作順に並べると、日本での人気が高い「少林寺木人拳」は、あの木人のインパクトは"大"だが、アクションとしては、試行錯誤の時代。逆に、「笑拳」を拳モノの完成形と考えると、直前にちょこっとだけ撮影した"いわくつき"「醒拳」の一部アクションシーンは、ファンなら見る価値があると思う。

■1979年日本公開
酔拳(1979年日本公開)
蛇拳(1979年日本公開)
■1980年日本公開
・笑拳(1980年日本公開)
・拳精(1980年日本公開)
■1981年日本公開
少林寺木人拳(1981年日本公開)
■1982年日本公開
・龍拳(1982年日本公開)
■1983年日本公開
・蛇鶴八拳(1983年日本公開)
・天中拳(1983年日本公開)
1984年日本公開
成龍拳(1984年日本公開)
■1986年日本公開
・醒拳(1986年日本公開)

ちなみに、ファンなら知っているであろう常識ではあるが、日本公開順となるとまた順番が異なる。1979年「トラック野郎」の同時上映として「酔拳」が公開され、ジャッキーが日本初登場となる。それがスマッシュヒット(スマッシュヒットって便利な言葉だな...)となり、続いて「蛇拳」「笑拳」とモンキーシリーズが続く。内容的な微妙な「成龍拳(1976~1977年制作)」の公開は、「プロジェクトA」が公開された1984年のジャッキー人気が爆発していた頃に便乗して公開されている。個人的には、公開が遅いものほど、問題作か駄作だと思っている。

 

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ジャッキーvs多人数アクション/蛇鶴八拳

◆ジャッキーvs多人数アクション

アメトーークのジャッキー芸人でしょこたんが言うように、従来のアクション映画は主人公vs多人数であっても本当は1人1人順番に戦っているだけ!なんだけど、ジャッキーは実際に多人数と同時に戦いアクション映画に革命を起こす。『ポリスストーリー』の頃から→『サンダーアーム』と続き→『プロジェクトA2』『九龍の眼』などのジャッキー監督作で進化する。けど、多人数の敵が同時に攻撃してくるから、勿論、ジャッキーは攻撃を受ける。なので、プロA2と九龍のジャッキーは弱そうに見えて、子供だった俺は、あまり好きじゃなかった(vsアパアパも何か不完全燃焼だし...)。今見ると、その頃のアクションの質がMAXに高いことが解るけど。
有名な話だと『サイクロンZ』の船上のアクションはジャッキー担当で、ラストバトルはサモハンが担当と言われている。
どっしり構え、1つ1つの動きをしっかり見せる基本に忠実なサモハンに比べ、ジャッキーの動きは、多少雑に見えてもリアリティを重視する。

 

◆蛇鶴八拳

製作は悪名高いロー・ウェイだが、監督はジャッキーの友達のチェン・チーフワ(シーフワ)、なので、若いスタッフとアイデアを出し合い比較的自由に作れた最初の作品。製作期間が大幅に長引き、ラストのバトルでも途中で髪型が変わったりする。そんな追加撮影分もあり、槍使いの3人組とのアクションは、一歩間違えば大ケガに繋がるだろうし、今見ても質が高い。5分に1回は見せ場があるようなアクションの連続で、様々な対決が楽しめる。

 

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